凍結融解作用で床版内部に生じる水平ひび割れの発生メカニズム

摘要

積雪寒冷地の道路橋床版は凍結融解作用を受け，水平ひび割れが発生している．しかし，その発生メカニズムは明確になっていない．そこで，大型のスラブ供試体を用いて水平ひび割れの再現実験を行い，発生メカニズムの検討を行った．実験の結果，水平ひび割れへと発展するアイスレンズを２カ所の0°C設定点付近で再現することができた．アイスレンズが0°C設定点付近で発生したのは，上面からの冷却に伴って上面から移動してきた上側の凍結フロントと凍結持続層に近い下側の凍結フロントが0°C設定点付近で合流したこと，また，合流位置で形成された未凍結層が遅れて凍結する際に発生する過剰な凍結膨張圧の繰返しによりコンクリートが破断したためである．