頚椎後方除圧固定術のためのVR穿孔訓練用シミュレータにおける訓練評価のための視覚提示手法

摘要

頚椎後方除圧固定術では，除圧術後に頚椎を固定するために椎弓根スクリューを用いた固定術を実施する．椎弓根スクリューの刺入は，脊椎に不安定を有する病態における脊椎の固定や脊椎の変形の矯正などのために適用される．一方で，頚椎には神経および椎骨動脈が通っているため，術中の神経および動脈損傷のリスクがある．加えて，頚椎は胸椎や腰椎と比較すると径が小さく，椎弓根スクリューを刺入できる経路が狭い．椎弓根スクリューが経路から逸脱した場合，大きな合併症を引き起こす危険性がある．したがって，椎弓根スクリュー刺入においては，術中のX線を用いた側面透視や，術前または術中に 3 次元コンピュータ断層撮影(3D-CT)を用いたナビゲーションシステムが適宜用いられる．また，腰椎では，液晶モニタと力触覚提示装置によるバーチャルリアリティ(VR)を活用したシミュレータを用いた術前訓練システムがあり，訓練の前後で椎弓根スクリュー刺入制度の向上が確認されている．