多彩なエネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラントの構築に関する実証(第4報）4種の上げDR手法に関する技術実証

摘要

1) 本実証では中間期である11月に上げDRの実証を行い，蓄熱槽，蓄電池，コージェネレーションシステム（CGS),空調設備の需要コントロールという4種類のリソース（契約容量計約1.8MW)すべてにおいて，今回の要件で上げDRが問題なく可能であることが分かった.2) 報酬がないため，契約容量を確実に上回り成功させるか，なるべく精度を上げてぴったりを狙うか需要家の目的が分散してしまい評価が難しくなった面がある.以降は上げDRも実証事業の中で，共通ルール化が望まれる.3) 蓄電池による上げDRは，条件が合えば，ぴったり制御できる.一方で，太陽光発電の増加により急速に充電され満充電となるケースもあるため，最適な蓄電設備容量を見直し，検討する必要がある.4) CGSによる上げDRは，DR時にCGSを停止させるシンプルな運用であり，確実性が高いと言える.今後，リアルタイム監視と受電状況を踏まえてCGSを出力制御することで，精度の向上に繋がると考えている.5)需要コントロールによる上げDRは，室内環境·知的生産性の向上につながるため，オフィスにおいては有効と考える.季節により制御を見直す必要があったり，一時的に増エネとなったりするため，需要家に合わせた詳細検討が必要である.