水の潜熱を利用した加湿冷却の特性と不快指数による評価

摘要

近年，地球温暖化により地球の平均気温は上昇しており，地球規模での深刻な問題である.日本の都市部においては近年，ヒートアイランド現象による温熱環境の悪化が深刻な問題となっている.その主な原因として，自動車や空調などによる人工排熱の増加，緑地，水面などの減少による冷却作用の低減，建物や舖装面などによる蓄·放熱量の増加などが挙げられる.その結果，夏季には高温に対する冷房電力の増加とそれに伴う人工排熱の増加が，より一層の気温上昇を招くという悪循環を形成している.したがって，冷房の省エネルギー化を進めることは，地球温暖化とヒートアイランド現象の観点から，非常に重要な課題であるといえる.