蛍光・ラマン散乱増強基板への展開を指向した銀･金ナノ粒子−チタン酸化物超薄膜の開発

摘要

近年、太陽光発電や光触媒に代表される光エネルギー利用の高効率化への関心が高まっている。光エネルギー利用を高効率化するための鍵技術として、貴金属ナノ粒子がある。我々の研究グループでは、金や銀などの金属ナノ粒子が光を吸収すると、粒子周辺のナノ空間に局在増強電場が生じる現象（局在プラズモン共鳴、LSPR）を利用する材料の開発を展開してきた。特に、貴金属ナノ粒子のナノ薄膜を液／液界面や、静電吸着を用いた方法で作製し、光活性物質が持つ光励起特性の増強とその応用について研究を進めてきた。以上の背景から、本研究では、液／液界面を利用して作製した銀・金混合ナノ粒子薄膜と表面ゾル-ゲル法を用いて作製したチタン酸化物の超薄膜からなる交互積層構造基板の開発を行い、この積層構造体の蛍光性有機材料の蛍光発光・励起特性およびラマン散乱の増強について評価した。