住宅を対象としたPCMによる遮熱効果の検討(第2報）PCMと断熱材の位置関係による流入熱量抑制効果に関する研究

摘要

本論文によって得られた知見を以下に示す。(1) シミュレーションにより、比熱容量の大きい物質を断熱材中央に設置することで、流入熱量を抑制できる可能性が見出せた。(2) 試験箱による実測により、PCMが相変化した場合、 PCMを断熱材中央に設置することで流入熱の遅延効果が見られた。(3) 実験棟による実測により、PCMを桁面断熱材中央に設置することによる流入熱量抑制効果が確認できた。熱流量総積算値においてもPCMを設置したA棟がPCMを設置していないB棟より少なくなった。しかし、A棟とB棟で室內温度差は殆どなかった。これは、天井面よりも表面積の大きい壁面からの流入熱の影響が考えられる。よって、今後は壁面においても流入熱量を抑制できるPCMの設置方法を検討する必要がある。