暑中環境で施工される構造体コンクリートのコールドジョイントに関する研究その１　研究の概要及びコンクリートのフレッシュ・強度性状

摘要

暑中環境下で製造、施工されるコンクリートは、水和反応が早く進行するため、凝結速度やブリーディング量といった初期性状の要素に多大な影響を与え、特に、コンクリートを打重ねる際には大きな問題となる。そこで、本研究では、打重ね時間間隔や締固め条件が暑中環境下で製造、施工されるコンクリートの打重ね部に及ぼす影響について検討した。試験体の作製は暑中期（2012年8月23日）と標準期（2012年11月16日）に福岡大学構内で実施し、図1に示す幅1200mm×奥行200mm×高さ900mmの試験体(以下、壁試験体)と100×100×400mmの角柱試験体(以下、角柱試験体)を作製した。試験体は、練混ぜ開始から1.5時間後に先打ちコンクリートを打設終了し、所定の打重ね時間が経過した後、後打ちコンクリートを打設した。壁試験体では300mm間隔で棒状バイブレータにより15秒間加振し、後打ちコンクリートの打設の際の加振方法は先打ちコンクリートへ棒状バイブレータの先端を10cm挿入するものおよび挿入させにものの2水準とした。角柱試験体は縦打ちとし、先打ちおよび後打ちコンクリートともに突き棒で10回ずつ突き、突き棒は先打ちコンクリートに挿入させていない。各試験体の要因と水準を表1に示す。