有限差分法による表面波を含む理論波形に対するスペクトルインバージョンの適用性

摘要

堆積盆地では,表面波が盆地内部で励起され地震動が増幅・伸長されやすい.通常,地震動の卓越周期は,サイト特性に大きく左右され,サイト固有の一定のものとして扱うことが多い.しかし,著者らは,堆積盆地上で観測された表面波を分析し,地震毎に卓越周期は1 ～ 2秒程度変動する・その変動は長周期建物の地震時応答に影響を与え得るという結果を得た.また,平井らは,楕円形の堆積盆地モデルのシミュレーションを行い,堆積盆地上の観測点で震源の方位によって卓越周期が異なるという結果を得た.