建築建物の環境振動検討方法に関する研究その２ 有限要素法解析モデルによる環境振動評価方法

摘要

構造設計において、目的用途に見合った構造躯体の品質を確保し、適切な居住性能環境を提供することは構造設計者の責務である。しかし、発生する振動レベルは構造躯体の構成要素だけでなく、積載物の質や量、利用する人の動きや設備の稼働状況など様々なものに影響を受けるため、解析的に精度よく評価・判断することが難しい課題である。設計実務では類似する建物の実測データやクレーム発生事例などを頼りに判断するケースが多いのが現状である。本報では、この課題に対し一般事務所系の建物での歩行を対象とした利用条件で、発生する上下成分の環境振動について、汎用性のある解析検討方法を提案し、そのシミュレーション結果を実測と比較検証したので報告する。