メゾネット型住宅における住まい方の時系変化に関する研究:千里ＮＴのＡマンションを事例としてその１

摘要

1964-1969年に大阪府が千里丘陵に開発した我が国最初の大規模住宅都市である千里ＮＴにおいて、我が国における初期のメゾネット型住宅が1967年に建てられた。メゾネット型住宅の住まい方研究に関しては、調査時点の断面的な報告はあるが、家族構成等の変化に伴う住まい方の変化を経時的に明らかにした例はない。そこで本研究は、初期のメゾネット型住宅であるＡマンションを対象に、ヒアリング調査により収集した居住歴を第一報で、それに伴う住まい方の変化を第二報で明らかにし、今後の集合住宅計画の一資料となることを目的とする。なお、本研究では、入居・転居等について次のように定義する。世帯の当該住戸への引っ越しを“入居”、世帯の他所への引っ越しを“転居”、世帯の一員の当該住戸への引っ越しを“転入”、世帯の一員の他所への引っ越しを“転出”、建替えに伴う世帯の転居を“退去”とする。