2Q06 きぼう船外利用事業の民間開放の歩みとこれから（衛星放出）

摘要

Space BD 株式会社は2018 年5 月に宇宙航空研究開発機構（JAXA）より国際宇宙ステーション（ISS）「きぼう」日本実験棟（Japanese Experiment Module,JEM）の船外プラットフォーム（図1 参照）を活用した超小型衛星放出サービスの事業者に選定され、これまで様々な衛星打上げプロジェクトを進めてきた。衛星放出事業はJAXA が策定した「きぼう利用戦略」に沿って当社に移管されたものであり、「きぼう利用戦略」の目的は「きぼう」日本実験棟を我が国の研究基盤として定着化させること及び利用成果を最大化することである。衛星放出事業は「きぼう利用戦略」の民間開放第一弾となるプロジェクトであり、民間事業者ならではのアイデアにより国内外に広く独自のサービスを提供する事で、更なる超小型衛星放出の利用需要を拡大し、「きぼう」を含む地球低軌道利用の発展に貢献するものである。超小型衛星放出ミッションでは、国際宇宙ステーションを構成する各モジュールの中で、唯一「きぼう」日本実験棟が備えている独自のエアロックシステム（JEM Airlock）とロボットアーム（JEM Remote Manipulator System,JEMRMS）等の統合機能を駆使する事により実現したものであり、衛星は日本独自の放出機構である小型衛星放出機構（JEM Small Satellite Orbital Deployer,J-SSOD）より宇宙空間に放出される（図2 参照）。本発表では衛星放出事業のこれまでの成果と今後の展望について述べる。