聴覚障害高校生の文章音読における発話速度の検討

摘要

音声言語を用いた対人コミュニケーションで、発話速度は怒りや悲しみなど感情の伝達や相手にわかるように発話するといった了解度を高める意味で重要な役割を担っている。特に，聴覚障害児の場合は発話明瞭度をより高める必要性から，発話速度の調節や発話速度に対する意識を高めることが求められる。従来の聴覚障害児の発話速度は、健聴児より速度低下が見られることが指摘されてきた。しかし、これまでの研究では小学生もしくは大学生を対象としており、中学生・高校生に対する検討は見当たらない。加えて、発話速度の研究では健聴者と数値での比較が多く行われてきたが、対象児の背景要因との関連については、ほとhど言及されてこなかった。