日本語形容語を用いたサウンドスケープ評価の主成分構造に関する実験

摘要

「サウンドスケープ」は、1960年代にカナダの作曲家 R.マリー・シェーファーによって提唱された語である。ここ十数年の間で、特に欧州を中心として、環境騒音の研究の展開としてサウンドスケープという用語が使われ、盛hに研究されてきた。それは2002年の環境騒音に関するEU 指令に言及される「静かな地域の保全」に呼応するものと考えられ、騒音の許容値を議論するだけではなく、自然の音事象などを楽しむことができるような、良好な音環境の保全を目指すものである。そうした流れの中で、サウンドスケープのISO 規格化が進みつつあり、用語等の定義と概念的枠組みをまとめたISO 12913-1と、データ収集の方法や指標等を示した ISO/TS 12913-2がそれぞれ2014年、2018年に定められた。