基板に共有結合により固定化され高分子膜に埋もれたナノ粒子の走査型熱振動顕微鏡法による可視化

摘要

近年、原子間力顕微鏡を用いた表面下構造可視化技術は急速に進展しつつあり、表面下数百ナノメートルにある構造物を、非破壊・高分解能で可視化することが可能となっており、今後さまざまな分野への応用が期待されている。しかしながら、その可視化メカニズムについては、依然不明の点が多々ある。われわれは、高分子膜に埋もれたナノ粒子の可視化において、表面下可視化像におけるナノ粒子の見かけ上の大きさとナノ粒子の深さに相関があることを明らかにしているが、スピンコート時にナノ粒子が浮かび上がる問題があり、意図した深さに構造物が存在する試料を再現性よく作製することは困難であった。