Floating-Bridge 法によるカーボンナノチューブ紡績糸の機械特性

摘要

カーボンナノチューブ（CNT）は、その単線において既存線材を凌駕する機械特性を示すことから、超軽量・高強度線材としての応用が期待されている。特にCNT 単線が示す、100 Gpa を超える優れた破断強度をバルク線材において引き出すためには、さらなる単線の長尺化、高純度化に加えて集合線の高密度化が重要となる。これまでに我々は、CNT が高速層流中において塑性変形を伴いながら伸長成長する現象を見出し（Floating-Bridge CNT; FB-CNT）、高品質なCNTが合成できることを報告した。FB-CNT の破断強度は単線で~100 Gpa、集合化バンドル（Φ10 nm）においても50 Gpa を維持する。本研究では、バルク線材であるFB-CNT 紡績糸（Φ50 μm）の機械特性について評価したので報告する。