ベルニーニによるサンタ・マリア・アスンタ聖堂翼部の柱廊

摘要

本研究は、ベルニーニがローマ郊外のアリッチャに設計したサンタ・マリア・アスンタ聖堂（1662～64 年）の左右に建つ翼部建物前面に設けられた柱廊の造形の特殊性とその意義を考察するものである。パンテオン風の構成で注目を集める本体の円堂部分やそれを取り囲む風変わりな湾曲壁とは異なり、地味な左右翼部の建物であるが、こちらも前者に劣らないほど興味深い建物である。以下でそれを明らかにしたい。