日本・韓国・台湾の土地利用コントロール制度: 市街地における土地利用コントロールと歴史的環境保全の関係に関する比較研究 その1

摘要

わが国の制度に対して、両国とも特にベースとなるゾーニング制度に大きな違いがみられた。政策・プロジェクトとの関係から、韓国は制度自体が大きく変更されて適用されており、一方、台湾では制度自体に柔軟な運用が可能な仕組が内包されており、それが活用されている。一方で両国とも大都市で基本的なゾーニングが詳細化されていることも注目に値する。日本ではシンプルな基本ゾーニングに多種多様な追加型ゾーニングが重層的に存在して適用されているが、精緻さや安定といった面でメリットはあるものの、政策や都市再生といった課題には対応しがたく、その硬直性が逆に基本ゾーニングの詳細化が難しい背景ともなっていると考えられる。