超音波画像における子宮運動方向の画像解析と妊娠の評価

摘要

超音波画像における子宮内膜の形状は月経周期に依存して変化することが知られており，リーフパターンと呼ばれる木の葉状の形状が生じているときが妊娠に適した状態である．不妊治療において医師は超音波画像の子宮内膜像を目安に着床治療を実施する．しかしながら，超音波画像の動画像から臓器の細かい動きを目視でとらえることは非常に困難である．また武内らは，超音波画像における子宮内膜像と子宮内膜組織所見の比較検討を行っている際，超音波の入射角が浅い場合や分泌不全内膜であった場合に，本来とるべき形状とは異なる形状を超音波画像上に示すことを確認した．このような現象が生じている場合，目視で超音波画像の子宮形状を評価することは非常に困難である．そこで本研究では画像処理技術による超音波画像の子宮評価手法を提案し，不妊治療成功率の向上を目指す．本研究では子宮の蠕動運動に着目し，運動方向から子宮評価を行う手法について報告する．