人工知能/ロボットと安全保障技術に関する世界的な議論の論点整理

摘要

「キラーロボット反対！」キャンペーンを国際人権NGO であるヒューマン・ライツ・ウォッチが開始したのは2013 年のことだった．アメリカ東海外を中心として活動しているNPO 法人，The Future of Life Institute は自律型兵器に対する懸念を示したオープンレターを2015 年に公開した．2016 年に公開された米国電気電子学会（TheInstitute of Elec-trical and Electronics Engineers：IEEE）の「倫理的に調和されたデザイン 第1 版」（EthicallyAligned Design version 1）では，”Reframing AutonomousWeapons Systems (AWS) ” という章が設けられた．「Reframing（再構成）」というタイトルが示すように，すでにそのような技術が「ある」中で，既存の特定通常兵器使用禁止制限条約（CCW）や国連などで議論されている法律等も参照しながら， 自律型兵器システム（AWS）をどのように位置づけるのかが議論されている．