小学生向け体験学習イベントによる土木事業への理解を促進する活動

摘要

道路や河川の堤防，橋，ダム，トンネル，水道など，社会のあらゆるインフラを支える技術のひとつが，土木技術である．普段通りの生活を送るためには，確かな土木技術の上に成り立つ建造物が必要不可欠な一方，土木の仕事に対しては『きつい・汚い・危険』といういわゆる“３Ｋ”のイメージが根強く，人材不足という課題がある．地震や津波，台風，大雨など自然災害の脅威にさらされている島国の日本において，未来の国土を担う人材の確保が急務となっている．そこで，小学生を中心にその保護者らも交え，これまでになかった体験型の土木イベントを開催するため著者である二人が「噂の土木応援チームデミーとマツ」1)（以下，「デミーとマツ」）を結成した．本稿では，2016 年4 月以降，全１６回開催した体験学習イベントについて開催にあたって得た知見，考え方の概要を報告するものである．