ウェーブレットコヒーレンスによる三次元計測で得られるプロファイルデータ解析

摘要

近年，i-Construction の推進を背景に，三次元データを活用した効率的な道路の維持管理に関する検討が活発化しており，筆者らも，高性能な全地球航法衛星システム（GNSS）とともに，地上型レーザースキャナ（TLS）やモービルマッピングシステム（MMS），無人航空機（UAV）を用いた取り組みを行なっている．今後のさらなるICT 技術の普及に鑑みると，三次元計測により得られたプロファイルの評価は，施工および維持管理の効率化を図る上で欠かせないものと考えられる．特に，任意の測線の情報を抽出可能なことや，高性能GNSS との組み合わせで経時変化を容易に追跡できることは，三次元データを用いる代表的な利点である．本研究では，ウェーブレットコヒーレンス（以下，WTC: Wavelet Transform Coherence）に基づくウェーブレット一致度（以下，WTA: Wavelet TransformAgreement）を提案し，各種三次元計測機器により得られたプロファイルの新たな解析方法について検討を行なった．なお，プロファイルのサンプリング間隔は全て0.1 m である．