第4章 ベイズ最適化の原理とその応用

摘要

物質科学の実験の多くは、計測時間や原材料·試薬の価格などの両側面で高コストであること が多い。現状では研究者の経験であったり、時間をかけてのグリツドサーチなどによる条件出し を行うことが多いが、初学者や新しい装置に対する条件出しに関してはどうしてもコストをかける 他なかった。そういった状況を打開する技術としてベイズ最適化が注目を集めている。ベイズ最 適化の精神は「手持ちのデー夕から最良の次手を推定する」ことにある。これはデー夕取得コス トの低い問題ではあまり意味をなさないが、材料合成や限られた時間の中での実験順序など、網 羅的にデー夕を収集することが困難なケースで威力を発揮する。