日本の合唱歌手に対する「発声の補助器具」の意識調査

摘要

歌唱音響学において指導者/歌手の経験的知見を"発声の補助器具"としてフィードバックする試みが存在することを受け、合唱歌手が「発声補助器具の開発」をどう捉えるかの把握を目的にアンケートを実施した。日本を代表する大学·社会人合唱団へ、「発声の補助器具」の使用意欲や推測されるメリツトを尋ねた。なお、発声技術·新型コロナウイルス(COVID-19)の影響·合唱音響学の未検討事項(歌手間の音響的な相互作用)も尋ね、設問間で比較した。結果、「発声の補助器具」への使用意欲は比較的高く、重唱への対応力を有する回答者にメリットが支持された。新型コロナウィルス蔓延下では発声技術に対する自信が普段より低下し、発声補助器具の使用がニーズとして求められた。「歌手間の音響的な相互作用」の認識は900％以上が有し、重唱の対応力や補助器具の使用意欲と関連していた。