ラボスケール人工湿地による模擬酸性鉱山廃水からのヒ素の除去に及ぼす植生の影響

摘要

休廃止鉱山の坑廃水の人工湿地による処理の実用化 を目指し、ヒ素および鉄を含有する酸性の模擬坑廃水を ラボスケールの人工湿地によって処理することを試みた。 還元的条件では、ヒ素の化学形態は、吸着性が低い亜ヒ 酸が多くなり、除去が困難である。そこで、鉄酸化細菌を 利用し、二価の溶解鉄を三価に酸化し、ヒ素と鉄の難溶 性塩の共沈現象を利用して除去するものとした。そのた め、ろ材には中和能力があり、拡散によって空気が供給 されるように、透水性が高い状態が維持できるものが適し ている。また、植栽する水生植物には、酸素を根から供 給し，根圏に鉄酸化細菌を定着させる役割を果たす必 要がある。