プラズマCVDによる多孔質炭素電極の作製と容量性脱イオン法によるセシウム回収プロセスへの応用検討

摘要

近年、有害イオンの除去や有用イオンの回収および海水の淡水化技術として容量性脱イオン法（Capacitive Deionization ：CDI)に注目が集まっている。CDIとは，水溶液に挿入した一対の電極に電位差を加えることによって、陰イオンをカソードに、陽イオンをァノー ドに引き寄せることで水を脱イオン化する技術である。CDIによる脱イオン操作は、電気化学キャパシタにおける蓄電操作と本質的には同じ原理であり、電極面に蓄積されたイオンを回収する際には、蓄電されたエネルギーを回収することも可能であり、他の脱イオン操作に比べてエネルギー効率の高い技術である。放射性イオン回収への応用も検討されているが、操作条件や電極が持つ微細構造がイオン分離の選択性に及ぼす影響に関する知見は少ない。我々はナノ炭素材料の一種であるカーボンナノウォール（CNW)を用いて、高性能な電気化学キャパシタ用電極の作製に成功した。そこで、本研究では、CNW電極がセシウムの回収に有効であるかを検証することを目的として研究を行った。