入力飽和を有するPI制御システムに対するAnti-Windup適応出力フィードバック制御系設計

摘要

PIあるいはPID制御は，調整パラメー夕が少なく構造が単純であるといった利点から，一般的な制御手法の1つとして広く認知され，工業の分野において多く用いられている。しかし，制御対象が入力飽和を有している場合，PI制御のような積分器を有する制御系においては，Windup 現象のような制御性能の劣化が問題となる場合がある。これに対して，入力飽和による制御性能の劣化の改善を目的としたAnti-Windup制御が注目されており，現在までに固定コントローラに対するAnti-Windup補償器の設計法がいくつか提案されている。これに加えて，近年ではModel recovery 手法を用いたモデル規範型適応制御(MRACS)に対応するAnti-Windup 制御系設計法も提案されている。