認知症高齢者見守りのための徘徊履歴可視化機構の開発

摘要

近年，日本では急速に高齢化が進行している．それに比例して認知症の高齢者も増加し，社会問題となっている．そして，認知症の周辺症状の一つに徘徊行動といった症状が存在する．徘徊行動は，交通事故といった二次被害を引き起こす可能性があるため，早急に徘徊している認知症高齢者を見つける必要がある．しかし，介護者が街中で徘徊している認知症高齢者を捜索する負担は大きいと考えられる．そこで，本研究グループではこれまで，Bluetooth Low Energy(BLE)ビーコンを認知症高齢者に持たせることで見守るシステム「見守りプラス」を開発し，社会実験を行ってきた．[1]同研究グループである福本ら[2]は，捜索者のスマートフォンが取得する電波受信強度(RSSI)から徘徊する認知症高齢者の移動を考慮した追跡手法の開発を行なっている．