超高速衝突によりCFRPから生ずるイジェクタサイズへのガンマ線照射の影響

摘要

低周回軌道には，数多くのスペースデブリ（宇宙ごみ）が存在し，年々増加しており，大きな問題になっている．小さなスペースデブリであっても，宇宙機などに超高速衝突すると衝突物は破砕し，被衝突物からも噴出物（イジェクタ）が発生する．それらは新たなスペースデブリ（二次デブリと呼ばれる）となるため，スペースデブリは増加していく．宇宙機に衝突する可能性のあるスペースデブリは微小なものが多いが，平均の衝突速度が約10 km／sであるため，上記のような問題が生じる．本研究グループは，超高速衝突時に発生するイジェクタについて，アルミニウム合金ターゲットおよび炭素繊維強化プラスチック板（CFRP板）ターゲットについて詳しく調べてきた．本報告では，ガンマ線を照射したCFRP板に，アルミニウム合金製の球を衝突させ，破壊挙動やイジェクタサイズに与える放射線照射の影響を調べた．