繰返し衝撃引張下でのSUS316材破壊限界に及ぼすひずみ振幅とひずみ速度の影響

摘要

自動車や鉄道などの輸送機器，鉄橋や発電所などの機械構造物は動的な繰返し負荷を受けることが多く，故障の原因として金属疲労の影響が大きいと言われている．しかし，金属の動的疲労特性については試験方法が確立されていないなどの理由から，研究が十分にされているとは言えない．また，近年の耐震基準の厳格化からも素材金属の動的性能の評価が不可欠である．そこで本研究ではステンレス鋼であるSUS316を対象に当研究室で設計，試作した落錘式繰返し衝撃引張試験機を用いて，繰返し衝撃引張試験を行い，衝撃速度，ひずみ振幅を変化させ，それぞれの場合について破断繰返し数を分離して考えることにより，特に「ひずみ振幅」「ひずみ速度」が破壊限界に与える影響を実験的に明らかにすることを目的とする．