摩周湖と釧路の霧中成分の比較

摘要

摩周湖は酪農の盛hな北海道東部に位置し、特に夏季に頻繁に霧に覆われる。霧の多くは太平洋海上で発生する海霧が釧路など沿岸部を通過し、内陸まで運ばれてくるものである。摩周湖周辺では樹木の立ち枯れが一部地域で確認されており、その要因として酸性霧などについて調査を行ってきた。その結果、摩周湖の霧の平均酸性度はpH4.6 程度であり、太平洋海上で報告されているpH3.0～4.0 よりも中性に近いことが判明している。この差違について検討するために、釧路と摩周湖で同時期に霧を捕集し、その酸性度などの化学性について比較することを目的として調査を行った。