複雑境界形状の固液混相流解析のための各プロセスに複数の計算領域ブロックを割り当てる動的負荷分散手法

摘要

水深と同スケールの巨石を含む土石流の運動は，工学的に連続体として扱い，現象を説明できるものもあるが，複雑な力学現象の厳密な取り扱いを欠いている．これらの水理現象の推定には，個々の粒子の運動を直接Lagrange 的に解析し，粒子周りの流れ場を粒子よりも小さな計算格子を用いてEuler 的に解析する固液混相流解析法（以降IR（interface-resolved）法と呼ぶ）が今後の有効な解析手法となると思われる．しかしIR 法についても課題がある．すなわち，これらの手法は計算負荷が大きくなり，適切な並列計算法を開発しなければ，現状では現地渓流を対象とした大スケールの土石流解析は困難となっている．