河川防災システムのためのミリ波センサによる非接触水位計測

摘要

近年、地球温暖化に伴う気候変動により、河川の増水による災害が頻発し、さらに激甚化により被害も増加する傾向にある。2018年7月にも西日本で豪雨により河川の氾濫や洪水など甚大な被害が出たのも記憶に新しいところである。このような河川災害への対策としては、河川の水位をモニタリングすることにより、反乱が起きる前のできるだけ早期に、避難勧告等の警報を発令することが重要である。主要な河川の河川幅の広い中下流域には、水位観測局が設置され水位が常時監視されているが、より早期の警報発令のためには、支流の小河川や源流に近い上流部を合わせた広範囲での多点観測が必要である。しかし、現在の水圧式水位計を用いた観測システムはコストが高く、またメンテナンスの面で山間部での設置が困難であり、とくに地方自治体が管理する上流部の小規模河川への設置は進hでいないのが現状である。そのため、設置の簡便性やメンテナンスのコストの低いシステムが求められる。