サンプリングモアレカメラによる産業機械等の変位·振動測定: カメラ1台の画像から、多点の変位と振動が同時に測定できる非接触変位計測システムと活用事例の紹介

摘要

産業機械等の変位·振動測定は、装置の健全性や生産条件の確認として行われている。機械装置の健全性評価を行う場合、多点同時に変位や振動を計測することがある。その計測方法は接触式ダイヤルゲージや振動センサ、非接触レーザー変位計等が多く採用されている。接触式及び非接触式変位計では各計測点に対し1台のセンサが必要となり、計測点が多い場合には準備に多大な時間と費用を要することもある。また、機械本体やセンサ固定部の振動などにより各測定点間の相対変位·振動の計測が困難な場合が多くある。そのため、多点の変位·振動を効率よく簡易に計測できる方法が求められている。これらの課題を解決するために「NEDOインフラ維持管理·更新等の社会課題対応システム開発プロジェクト」の委託開発を行い，橋梁等の大型構造物の微小変位の計測で多くの実績がある「サンプリングモアレカメラ」の産業機械分野への応用を目的とした計測試験を実施している。