バイオスペックル血流イメージングにおけるスペックルサイズと速度検出特性の評価

摘要

レーザーをヒトの皮膚や頭皮等に照射し，組織中の赤血球の動きを反映するバイオスペックル変動を解析して血流を可視化する方法が，Briers,Dunnらのグループ,Fujiiらのグループ,Konishiらのグループをはじめ，著者らのグループにより研究されている.近年では，ヒトを対象とした低酸素症に伴う蝸牛の血流変化の解析,Webカメラを用いた血流可視化,メラノーマ細胞中における薬品作用のモニタリング,大脳の酸素代謝量の評価,脳深部における血流の可視化などの生体医学的応用が盛hである.著者らは，これまで1フレームのスペックル画像の鮮鋭度を空間微分に基づき定量評価することで，フレーム毎に血流分布をコントラストで画像化する評価パラメータRSD(Reciprocal Spatial Difference)を提案し，ラットやヒトの血流を対象とした実験によりその有効性を確認してきた.今回は，すりガラスモデルとヒト手首の橈骨動脈の血流データを対象として，RSD値の対速度特性に関してスペックルサイズおよび解析単位サイズをパラメータとして実験的に評価し，RSD値の対速度感度の向上を図れる測定・解析条件を考察したので報告する.