植物の三次元モデルのスケルトンを用いた領域分割に関する検討

摘要

植物の形状を分析することは，植物の健康状態の把握や生物学的な知見を得るために重要である.分析のためには植物の三次元モデルを構築することが有効であり，構築のための多くの手法が提案されているが，植物モデルを意味ある領域に分割する手法の研究は未だに少ない.本研究では，植物の三次元モデルのスケルトンを抽出し，その分岐構造を用いて植物モデルを葉と枝の領域に分割する手法を提案する.スケルトンはグラフ構造で表現し，ラプラシアンスムージングによって全体の構造を保持しながら点群を収縮させることで抽出する.実験では，葉と枝の形状が異なり，その配置が密集していないモデルについては良好なスケルトン抽出と領域分割の結果を得られたが，これらの条件を满たさないモデルはスケルトン抽出の精度が低下した.そのため，今後は葉や枝の配置による影響を抑えるための改善方法を検討し，さらに，点群そのものを領域分割する手法に拡張することを目標とする.