組立作業の習熟プロセス分析のための視線と身体動作の統合的分析手法

摘要

本研究では，組立作業における，初級者，中級者，熟練者の視線と手の動きの違いを客観的に分析するための習熟プロセス分析手法を提案する.具体的には，作業台のどの辺りに動きの違いがあるかを分析するために，視線と手の位置情報を複数の領域に分割し，コード化する.続いて，同時刻における視線と手のコードのペアの発生頻度を全フレームにわたって求め，共起ヒストグラムを生成する.これを視線.動作統合特徴量とすることによって，視線と手の連動的な動きを分析できる.提案特徴量を用いて，習熟プロセス分析した結果，初級者は，非利き手が2つの領域に停留することに対し，中級者は，非利き手が5つの領域に移動するため，中級者ほど非利き手が効率的に動かせるようになる.また，中級者は，視線が8つの領域に移動することに対し，熟練者は，視線が3つの領域に移動することから，熟練者ほど視線が一定の位置にて停留することを明らかにした.