宇宙重力波望遠鏡(DECIGO)のための高出力・安定化光源の開発

摘要

国内では昨年11 月にKAGRA が完成したことで、そして国外では今年2 月にアメリカの重力波検出器adv.LIGO が世界で初めて重力波を検出したことにより重力波天文学が注目を浴びている。重力波とは、超新星爆発や中性子連星の合体など、宇宙空間において巨大な質量変化が起こった際に生じる空間の歪みの時間的変動が四重極運動をしながら横波として伝搬する現象であり、A. Einstein が一般相対性理論の中で予言した。重力波は、物質との相互作用が電磁波と比較して小さいので時間が経っても減衰せず、検出されればより高密度状態の原始宇宙の理解が深まるといわれている。一方で物質との相互作用が小さいということは検出が困難であることを意味し、重力波による相対空間変位量dL/L<10~(-23) よりも変位感度の高い検出器が必要となる。そのため、現在世界中で長基線レーザー干渉計を用いた重力波の直接検出計画が進められている。