多重Fano共鳴をもつ光メタマテリアルの製作と評価

摘要

メタマテリアルとは電磁波に対して、自然界にはない特異な応答を示すようにデザインされた人工構造体であり、近年盛hに研究されている。その中でもFano共鳴をもつメタマテリアルは、光学許容（ブライト）モードと光学禁制(ダーク)モードとのFano干渉を利用しており、高い共鳴Q値や、大きな位相変化などの特徴をもつ。そのため、Fano共鳴をもつメタマテリアルは光源やバイオセンサ、非線型デバイスなどの様々な応用が期待されている。メタマテリアルにおいてFano共鳴を実現する方法として、非対称性の導入が知られている。構造にわずかな非対称性を導入することによって、放射損失の小さい（Q値の高い）ダークモードを励起することが可能になり、ダークモードとブライトモードとの干渉の結果、Fano共鳴がスぺクトル上に観測される。