色立体視のメカニズムに関する研究: デジタルサイネージへの応用に向けた基礎検討

摘要

デジタルサイネージゃパソコンのモニタで画像を閲覧する時に，赤や青の原色で表示された部分が画面から浮き出たり沈hで見えることがある.この現象は，色立体視(Chromostereopsis)と呼ばれ，眼球光学系の軸外色収差により網膜像のシフトが起こり，両眼立体視が成立するためとされている.色立体視は，単眼の軸上色収差とピント調節に基づく進出色?後退色の見え方とは明らかに異なり，特定の色の領域が不自然に強調されるため，デザインのガィドラインにおいては好ましくない知覚効果として扱われている.しかし，逆にこれを上手に活用すれば，デジタルサイネージの表現手法として有効利用できる可能性もある.本研究は，その基礎検討として，自然観察条件下での色立体視の特性について調べたものである.