平屋住宅の動線による室の配置と相対規模に関する研究:『新建築』、『新建築住宅特集』(1960 年―2009 年)を事例として

摘要

住宅の規模を決定する際、要求される床面積が敷地面積を超えていれば、必然的に床を積層せざるをえない。床を積層させる特性は、立体的空間構成により、空間同士の垂直性のあるつながりが発生し、水平性のあるつながりと相まって、多様な関係の創造が可能になることである。そうでない場合でも、床が層として多数存在しているため、要求される機能や室の面積、配置の自由度が増すことが考えられる。一方、平屋住宅の空間構成は、一つの層として、水平性のあるつながりのみで、要求される機能や室の面積を納めなければならない。それに伴い、空間同士のつながり方に制限が発生するため、住宅を構成する要素の配置、面積分配の検討が重要になってくる。また、配置や面積の分配に制限があることにより、パターン化された住宅の性質が顕著に現れると考える。