滑り基礎構造の実用化に向けた摩擦振動に関する検討（その3．滑り基礎構造各部の最大応答加速度の簡易推定法）

摘要

本稿では滑り基礎構造の加速度応答について検討し、滑り基礎構造各部で予測される最大応答加速度を推定する方法を提案する。図1に示すような上部質点と滑り基礎から成る2質点モデルを考える。このモデルが地動を受け滑り基礎が滑動する際、滑り基礎に働く力は摩擦力のみであり、摩擦係数µが一定であるとすれば、摩擦力は地動に関わらず一定である。すなわち、図1のモデルの滑動中の振動は、剛性0の1層を有し1層に一定の力±(m_1＋m_2)μgの荷重を受けるモデルの自由振動と等価であると考えることができる。