パブリックスペースにおける犯罪リスク評価単位の検討:犯罪リスク評価手法の研究（その8）

摘要

本研究では、犯罪リスクを定量的に評価する手法を研究し、犯罪PMLを算出することで最適な防犯設計に活用してきた1)。そして、建物を含む敷地全体での防犯性能評価ニーズが高まってきたことを受け、パブリックスペースの防犯性能評価にも取り組hできた。パブリックスペースでは、侵入行為を伴わない窃盗(非侵入盗)や粗暴犯などの対人犯罪が多く2)、建物への侵入に対する防犯性能評価とは異なる視点での評価が必要である。そこで、ルーティンアクティビティ理論に基づいて、犯罪企図者、被害候補者、監視者の三者の位置関係による位置関係から犯罪リスクを評価する方法を検討した。この方法によって、空間内に存在する人に対して、対人犯罪のリスク値を算出することが可能になった3)。