地方都市郊外スプロール市街地における低未利用地化に関する研究

摘要

我が国は2005年以降人口減少へと転じ、地方都市において土地利用面からみた空洞化と言える低未利用地化(1)の進展に伴う都市活動の撤退が散見されている。我が国に数多く存在する面的な基盤整備が実施されず整序ある宅地割りや街路整備が行われないまま無秩序に市街化した非計画的市街地、いわゆるスプロール市街地も例外ではない。近年の人口減少・財政の逼迫による開発投資力の低下を背景として、社会資本整備審議会において集約型都市化へ向け、特に郊外市街地の集約や撤退のコントロールが議論されている1)。また地区レベルの低未利用地化への対応として利用すべき土地の重点化や将来予測が求められており2)、低未利用地の発生する条件やそのパターンを検討することは重要である。特にスプロール市街地については、後追い整備コストが大きいことが指摘されており3)、その検討が必要であると言える。