小規模特認校の運営実態と傾向:小規模特認校における地域の拠点としての学校運営に_する研究その1

摘要

近年、わが国では急速な少子化と高齢化が同時に進行しており、地域社会への多大な影響が懸念されている。そのような状況下で、少子化及び市町村合併に伴って公立小中学校の学区再編の見直しや統廃合の検討、いわゆる適正規模化が実施されてきている。地域による学校存続の声を受けて、児童•生徒数が減少し存続が危ぶまれる学校において小規模校の良さを活かした「特色ある学校運営」を進めることで、自治体全域から児童•生徒（特認生）を募集することが認められる「小規模特認校制度（以下、特認校制度）」が各地で制定されている。制度実施は各市区町村の判断に委ねられており2010年現在33都道府県で実施されている（図1)。本稿では、小規模校存続のための施策として特認校制度に着目し、全国における特認校制度の実施状況や運営状況、立地別での傾向を把握する事を目的とする。