熊本市中心地区のストリートファニチャーに関する研究:引き算型市街地形成の可能性

摘要

ＳＦ増加に伴って行為の選択肢数は増加するが、その増加方法は２種類ある。１つは異種のＳＦ間で、複合行為を発生させながら行為の種類が多様化するものであり、対象地区内の並木坂通りやシャワー通りに該当する。もう１つは同一ＳＦにおいて「どれを利用するか」という選択性の発生による増加であり、対象地区内ではグランガーデン熊本前のベンチなどがこれに該当するであろう。しかし、後者の空間では本質的な行為の選択肢の増加にはなっていない為、無作為に同一ＳＦを設置する事を防ぐ事で、行為の選択肢数を最小限に抑えた空間を創出する事が必要であると考える。それによって、まとまりがあり、用途の明快な空間が創出できるのではないか。このように、ＳＦ設置による相互関係を考えることで、ＳＦの持つ機能性を十分に発揮させながら、且つ最小限のＳＦ設置のみの空間の創出が可能となる。つまりこれによって、無作為にものを増やす事のない、引き算型の市街地形成が可能になるであろう。