大学と地域の連携活動からみた「大学まち」の地域性の評価－筑波大学・つくば市を対象として－

摘要

「大学まち」の起源は、12 世紀ルネサンス初期のパリやボローニャがはじまりの場所であるといわれている。当時は、特定の空間を持たず、修道院の中庭や橋のふもと、あるいは共同で部屋を借りるなどで大学の講義を行っていた。大学空間はそのような場や部屋がまちなかに散在し、学生で賑わういわゆる都心型の大学まちとして発展した。それが年を経て、オクスフォード大学やケンブリッジ大学に見られるカレッジ群に発展し、17 世紀後半から19 世紀にかけてアメリカにおいては「キャンパス」といわれるような、広大な土地を専有し、周囲のコミュニティや自然に対して開放的な、大学の存在により都市が成り立っている郊外自立都市型大学まちとして発展した。