基礎教養における初期建築教育の方法に関する研究 その15：中学生を対象に1/10 組立住宅模型を用いて防災に関する建築教育の改善点と効果の検証

摘要

中学生を対象とした建物と防災に関する建築講座を総合学習の一環として2 年間実践した。1/10 模型を用いて建築講座を実施し、教育方法の改善と提案について理解度と効果を確認した。得られた知見を以下に示す。1）壊れないについて「重心と剛心」の理解度は「理解できた」が徐々に増加した。1/10 模型で何度も重心と剛心を念頭に試行錯誤し、振動実験で確認したことで理解できた人が増えたと考えられる。2）「建築の仕組みと防災の関係」の理解度は2019 年に「理解できた」が70％だった。2020 年は防災キーワードをもとに実施したが「理解できた」は22％に減少した。災害時や日常生活を想定した教育方法を検討する。3）建築の4 領域を年間通してカリキュラム化することが可能であることが確認された。