住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する全国調査 その30： 夏季の就床後温湿度が睡眠障害に及ぼす影響の改修前後検証

摘要

本研究では、ベースライン分析と経年変化分析により、夏季の室内温熱環境と睡眠の関連性についての検証を行った。ベースライン分析では、就床後の寝室温熱環境が睡眠障害有無に影響を与えることが示唆された。経年変化分析では、SET*の改善が睡眠障害改善を促進させる効果が示唆され、室内温熱環境を快適に保つことは夏季の睡眠障害の課題解決に繋がる可能性が示唆された。今後の課題としては、断熱改修や冷房機器の性能に関する追加調査によって情報を拡充し、室温や湿度だけでなく住宅性能も考慮した検証の実施が期待される。