令和元年台風19 号による東京都市大学周辺地区居住者の避難実態

摘要

（１）本研究より、①住民は不安が大きいほど避難意向が強まり、避難意向が強まるほど避難する傾向にあること、②居住者特性に着目すると避難した人は中高年層や親子による避難、避難しなかった人は本人または家族に高齢者がいることが特徴であること、③住宅特性に着目すると避難した人は主に低層階居住者、避難しなかった人は主に高層階居住者であること、④事前準備に着目すると避難した人の方が避難しなかった人と比べ台風に備える割合が高く避難への意識が高い一方、反意非避難者は避難所やハザードマップの確認などを積極的に行っていたこと、⑤主な避難先に避難所より親族の家や車の中が多く選ばれていたこと、⑥住民はテレビやインターネットを主な情報源として利用しているが地域の情報を詳細に把握できなかったこと、⑦多摩川はh濫危険情報や避難勧告など複数の情報が短い間隔で連続して発令させたことが住民の避難意識を向上させたこと、⑧家族や親族、友人の助言によって避難行動の重要性を確認し行動に移す人がいる一方で親しい人との相談により避難をやめてしまう場合もあることなどが理解できた。