自動運転・ロボット技術に対応した施設環境づくりその4 AI 画像認識による自動運転への走行支援

摘要

自動運転を実現するためには，車両自体の自律的な運転能力を高める技術開発と，自動運転する車両に適した走行支援技術開発を進める必要がある．前者は車両側において，自律的な車両制御技術や走行環境における車両センシングと対応能力を向上させることに対応しており，高性能センサーの利用や膨大なデータ処理が求められている．しかし、施設や街区では，見通しが悪くなる車両死角が多数存在し，車両単一のセンシングだけでは他の一般車両や歩行者との接触の可能性が完全に排除できず，走行環境の混雑状況に応じてその車両制御が困難となることが予想される．一方後者は，自動運転車両の走行に影響する障害物や事象の検知と排除，異常発生時の適切な支援を実現する技術開発に対応して，ハード・ソフトの両面から自動運転車両の走行支援する施設環境づくりの重要性を示唆している．近年の施設では，安全・安心に対する意識の高まりに伴い，実世界で発生する多様な事象を把握・記録することを目的とした監視カメラの整備が進められている。また，カメラ画像の認識技術は，人工知能(AI)の発達により物体検出や特徴抽出および人物の行動や振る舞いの把握・理解や施設混雑状況の監視等，さまざまな用途へ適応されている．